
葉状腫瘍とは、乳腺に発生する楕円形で柔らかい腫瘍です。この腫瘍は数ヶ月単位で急速に大きくなります。 乳腺の上皮と間質のうち主に間質細胞が増殖してでき、病理組織によって良性・境界・悪性に分類されます。治療は外科的切除が基本で、周囲の正常乳腺を含めて切除することが推奨されます。 大きい腫瘍や再発時には乳腺切除が必要になることもあり、悪性の場合は約20%に転移が見られるため、術後の経過観察が欠かせません。
葉状腫瘍は多くは痛みや腫れを伴わず、良性なら転移はありません。 しかし、悪性の場合は遠隔転移する可能性があります。また、良性でも再発時に悪性化する場合があるため注意が必要です。
葉状腫瘍は乳がんのように乳管上皮から発生するのではなく、乳腺の間質細胞が腫瘍化した肉腫の1種です。 なぜ発生するのか、明確なリスク因子や遺伝との関係は解明されていません。 また、線維腺腫から腫瘍化するという説もありますが、現時点では確証は得られていません。
葉状腫瘍と線維腺腫は非常によく似ており、小さな葉状腫瘍は区別が難しいため正確に検査する必要があります。 線維腺腫はがん化がまれですが、葉状腫瘍は切除しても再発しやすいです。また、悪性の場合は肺などぶ転移することもあるため注意が必要です。
葉状腫瘍の視診・触診では、医師が乳房を目で観察し、しこりによって乳房が不自然にふくらんでいたり、皮膚に緊張感や血管が透けて見えたりするような変化がないかを注意深くチェックします。 その後、しこりを手で触れて硬さや弾力・境界の滑らかさ・可動性などを評価し、葉状腫瘍の疑いがあれば、画像検査へとつなげていきます。
乳房の葉状腫瘍に対する超音波検査(エコー)では、不整形や均一でない内部構造の固まりが見られることが多いです。 また、嚢胞様の空間が点在しており、後方へのエコー通過増強が伴うこともあります。これらの特徴は、葉状腫瘍の診断では非常に重要です。

葉状腫瘍のマンモグラフィ検査では、通常、境界が滑らかで丸形・楕円形または分葉状の腫瘤として映し出されます。 腫瘍の境界が明瞭であるため乳腺線維腺腫との識別は困難なことがあり、実際には画像上だけでは区別ができないケースも多いです。
良性葉状腫瘍の治療は外科的切除が基本で、再発を防ぐために腫瘍周囲の正常組織を含めて十分なマージンを確保することが重要です。 腫瘍が小さい場合は乳房温存手術が選択され、乳房の形をできるだけ保ちながら腫瘍を取り除きます。
境界性葉状腫瘍は再発や悪性化のリスクがあるため、良性より広範な切除が必要です。乳房温存手術が可能な場合もありますが、十分にマージンを確保する必要があります。 術後は定期的な経過観察が求められ、再発時には再手術が行われます。
悪性葉状腫瘍は転移の可能性があるため積極的な治療が必要で、広範な切除や場合によっては全乳房切除術が行われます。腫瘍が大きい場合や転移が疑われるときには化学療法や放射線療法が採られることもあります。 再発リスクが高いため、術後は定期的な検査や経過観察が欠かせません。
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