乳房周りの皮膚の腫れ・赤み

「乳房周りの皮膚の
腫れ・赤みが…」
これって乳がん?

  • 「乳房周りの皮膚の腫れ・赤みが...」これって乳がん?

    乳房の痛みや違和感は、月経前後やストレスなどによるホルモン変動で起こることが多く、たいていは一時的に落ち着きます。 ただし、片側だけに症状が続く、硬くて動きにくいしこりを触れる、皮膚のくぼみや赤み・ひきつれがある、乳頭から血が混じる分泌が出るといった場合は注意が必要です。自己判断で異変を放置せず、乳腺外科でマンモグラフィや超音波などの検査を受け、原因を確かめて適切に対処しましょう。

乳房周りの皮膚の
腫れ・赤みの原因

  • 生理周期

    生理周期に合わせて胸の張りや痛みを感じるのは、ホルモンの影響による自然な変化です。排卵後に分泌されるプロゲステロンが乳腺に水分をため込み、腫れや張りを感じやすくなります。 また、血管が膨張して刺激に敏感になるため、軽い触れ方でも痛みが出ることがあります。これらの症状は生理が始まると落ち着いていきます。

  • 下着のサイズが合っていない

    胸の腫れるような痛みは、下着のサイズが合っていないことが原因となる場合もあります。ブラジャーのワイヤーが乳房に当たっていたり、きつい下着で長時間圧迫されると痛みや張りを感じやすいです。 下着を外したときに赤く跡が残り、時間が経っても消えないようであればサイズが合っていないかもしれません。サイズを見直したり、ノンワイヤータイプを選ぶことで症状が軽くなることもあります。

  • ホルモンバランスの変化

    女性ホルモンの影響で、月経中や思春期、さらには閉経前後といった時期にはホルモンバランスが大きく変動します。そのため乳腺が刺激され、乳房の張りや痛みを感じやすくなります。

乳房周りの皮膚の
腫れ・赤みで考えられる病気

  • 感染症

    乳房の感染症は、主に細菌が原因で起こります。乳頭にできた小さな傷や亀裂から細菌が入り込むことで発症することが多く、授乳中の母親に見られる症状です。赤みや腫れ、痛み、熱感を伴うことが多く、放置すると膿がたまる乳腺膿瘍へ進展することもあります。

  • 乳腺炎

    乳腺炎は授乳中の女性に多く見られる炎症で、乳管が詰まって母乳がうまく排出されないことや、細菌が乳頭の傷口から侵入することが主な原因です。体調不良や疲労の蓄積によって免疫力が下がることでも発症のリスクを高めます。

  • 乳輪下膿瘍

    乳輪下膿瘍は、乳頭のすぐ下にある乳管が詰まったり感染を起こしたりすることで発症します。 乳管内で細菌が増えると膿がたまり、腫れや強い痛み、赤みを伴うのが特徴です。授乳期以外でも起こることがあり、喫煙習慣がある方や肥満の方はリスクが高いとされています。

  • 反応性リンパ節腫大

    脇の下に見られる反応性リンパ節腫大は、ウイルスや細菌による感染で免疫が働いたときや、ワクチン接種後の反応として腫れることがあります。違和感や痛みを伴う場合もあります。

  • 粉瘤

    粉瘤は皮膚の内側に袋ができ、垢や皮脂が溜まって生じる良性の腫瘤です。脇の下に発生し感染すると赤みや腫れ、痛みを伴うことがあり、炎症で腫大した場合には治療が必要です。

  • 乳房パジェット病

    乳房パジェット病は全乳がんの約0.5%とまれな乳管がんで、乳頭・乳輪部にただれやかゆみを起こし、出血やかさぶたを伴うことがあります。

  • 皮膚炎

    乳頭・乳輪部のただれやかゆみは皮膚炎の可能性があり、乾燥や下着の摩擦などの刺激で起こります。 40~50代はホルモン低下で乾燥しやすく、10~20代や授乳期は皮脂増加で炎症が起こりやすくなります。

  • 炎症性乳がん

    炎症性乳がんは、乳房の皮膚に赤みが広がる特殊な乳がんで、リンパ管にがん細胞が拡がることで皮膚が硬くなり毛穴が目立ちます。 しこりができにくいため発見が遅れることがあります。

    「乳がん」について

乳房周りの皮膚の
腫れ・赤みがある時の対処法

  • 冷却する

    冷却する

    腫れている部分に氷嚢や冷たいタオルを当てることで、炎症が和らぎ、痛みや腫れを軽くする効果があります。長時間当てすぎず、休憩を挟みながら行うのがおすすめです。

  • 保温する

    保温する

    感染症が疑われるときは、乳房を温めて血流をよくすることで炎症を抑え、治りを早める効果が期待できます。温める際は清潔を保ち、無理のない範囲で行うことが大切です。

  • 適切なサイズの下着を着用する

    適切なサイズの
    下着を着用する

    自分に合ったサイズでサポート力のあるブラジャーを身につけると、乳房の重みを適切に支えることができ、張りや痛みなどの負担を和らげる効果があります。

  • 適切に授乳をする

    適切に
    授乳をする

    乳腺炎を防いだり改善するためには、赤ちゃんが飲みやすい姿勢で授乳し、左右の乳房をバランスよく使いながらこまめに授乳することが大切です。

  • きちんと休息する

    きちんと休息する

    しっかりと休養をとり体を休めることで免疫力が高まり、炎症や痛みの改善を助ける効果があります。無理をせず回復を優先することが大切です。

乳房周りの皮膚の
腫れ・赤みに気づいたら
何科を受診する?

乳房周りの皮膚の腫れ・赤みに気づいたら、婦人科や乳腺科、乳腺外科を受診しましょう。 産後の乳腺炎であれば産婦人科での診察が適している場合が多いですが、それ以外の乳房のトラブルやしこり、皮膚の変化については、専門的な検査や診断が可能な乳腺科や乳腺外科の受診が安心です。自己判断せず、早めに医師に相談することが大切です。

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